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2ストライクに追い込んだら見せ球でボールを投げてその次に決め球で勝負にいく、これが日本野球の常識です。0ボール2ストライクで投手がストライクを投げて打者にヒットを打たれると「なんで一球外さなかったんだ」と怒られることが多くあります。ただ、この常識には疑問があります。
2ストライクから1球外すと投手の球数が多くなる
見せ球はボール球なのでそれだけ投手の球数が多くなります。試合の前半から見せ球を多く使って球数が増えれば試合の後半で球威が落ちることになります。
「そのために走り込みや投げ込みでスタミナを付けるんだ」という熱血指導者がいるかもしれませんが、そうした投げ過ぎは怪我に繋がり選手生命も短くなります。メジャーでは怪我のリスクを考慮して球数が管理され球数制限は常識化されています。
そのため、無駄球をなくすためにツーシームなどでボールを動かしてストライクゾーンで勝負する傾向があります。球数が少なく打たせて取れる投手が重宝されるからです。
日本では球数制限が根付いていないので見せ球を使って球数が多くなっても問題視されません。むしろ0ボール2ストライクで投手がストライクを投げて打者にヒットを打たれた方がチームで問題にされます。
2ストライクから1球外すのに根拠はあるのか?
見せ球に全く意味がない訳ではありません。インコース高めのボールを投げ、次にアウトコースいっぱいに投げると打者はインコースの残像が残っているのでアウトコースが遠く感じます。
緩いボールを投げた後に速いボールを投げると打者は詰まりやすくなります。打者を打ち取るために必要な見せ球は確かにあります。
球数が多くなっても、打者を抑えることが第一優先なので球数を使ってでも1球外すのが必要なときはあります。
しかし、 根拠のない見せ球は全く意味がなく、それはただの無駄球です。2ストライク追い込んだから「とりあず1球外す」というような考えは絶対にダメです。
この打者を抑えるためにこの見せ球が必要だから使うという根拠がなければいけません。
2ストライクから1球外すのは正しいか?
結論としてはケースバイケースです。
簡単に2ストライクを追い込んで打者の打ち気がなければ3球勝負した方がいいですしいい流れでテンポよく抑えている時も余計な見せ球はいりません。
しかし、強打者との対戦、ここ一番のピンチの場面は打者を抑えるために「根拠のある見せ球」は必要です。
なので一概に2ストライクから1球外すのは正しいか正しくないかとは言えません。
とにかく言えることは「根拠ない見せ球」は必要ないということです。
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