野球のバッティングは上から叩くダウンスイングが基本、これは古くからの日本野球の常識です。最近はレベルスイングを推奨するプロ野球選手や指導者がメディアでダウンスイングが良くないことを発言していますが、まだまだダウンスイング推奨論は根強いです。
過度なダウンスイングは金属バットや球種が少ないアマチュア野球、軟式野球では通用しますが、高レベルの野球では通用しなくなります。
「努力は裏切らない」とダウンスイングで一生懸命練習しても好打者にはなれません。その理由はポイントが点になってヘッドが使えないバッテイングだからです。
ダウンスイングは緩急に弱い
ダウンスイングのバッティングは極端にいうとバットを縦に出してボールを叩くのでポイントが点になります。タイミングが合って見事その点に当たればいいバッティングができますが、相手投手は緩急や変化球を使ってその点をずらしにきます。ダウンスイングは打てるのが一点しかないので、その点をずらされたときに対応できないのです。
ダウンスイングはヘッドが使えない
最短距離でバットを出してボールを叩くダウンスイングはバットのヘッドをうまく使えません。バッティングの良し悪しはヘッドをいかに走らせるかですので、バットをしならせて打つことが大切です。
イメージはこんな感じ
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出典:flickr
ムチのようにしならせることで力強くボールを打つことができます。しかし、ダウンスイングは最短距離でバットが出てボールに当たるのでバットをしならせることができません。
ダウンスイングを推奨するのは目先の勝負のため
ダウンスイングが推奨される理由は金属バットなら速い打球が打てて、フライよりゴロを打った方がヒットやエラーで出塁できる確率が上がるからです。ダウンスイングはボールを上から叩くのでゴロが多くなります。
フライは選手一人の捕球でアウトが成立しますが、ゴロは捕球と送球、さらにファーストの捕球とエラーする機会が3回もあります。ゴロをたくさん打てばエラーの確率が上がり出塁も多くなります。
また、金属バットは反発がいいのでヘッドが使えなくても強い打球が打ててしまいます。試合の勝敗を考えたらゴロをたくさん打てるダウンスイングがいいのです。
そして球種の少ない少年野球、中学野球、高校野球ぐらいまでであれば、点で捉えるバッティンで対応できてしまうというのも理由の一つです。
選手の将来を考えたらダウンスイングは良くない
アマチュア野球で目先の勝負だけにこだわるのであれば全選手にダウンスイングを徹底させた方がいいです。しかし、その選手たちは高校を卒業して木バットを使うようになったときにそのバッティングでは通用しません。
野球のレベルが上がり、変化球が多彩になり緩急でタイミングを崩されることが多くなるとダウンスイングでは手も足も出ません。また、金属バットに比べて木バットはヘッドが使えないと強い打球は打てません。
それを体感して、柔軟に線で捉えるレベルスイングにシフトできばいいのですが、ダウンスイングがバッティングの基本という洗脳に囚われていたり癖になっていたりすると矯正することはできません。とにかく、野球のバッテイングにおいて過度なダウンスイングはよくありません。
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