ファースト(一塁手)は難しい!守備の役割や動きは?プロ野球の名手も紹介!

一塁手

野球のポジションは【投手・捕手・一塁手・二塁手・三塁手・遊撃手・左翼手・中堅手・右翼手】の9つあり、ポジションごとに役割やグラブさばきなど技術が異なり、動きも変わってきます。今回はファースト(一塁手)にフォーカスして守備の役割や動き、難しい理由、求められることについて解説します。さらに現役・歴代のファーストの名手も紹介します。

 

野球のファースト(一塁手ってどんなポジション?

まずファーストの守備の役割や動きを説明する前にファーストとはどのようなポジションなのかを解説します。ファーストは1塁ベース周辺に飛んでくるゴロ・フライの打球や、ラインの外側に飛んでくるファールゾーンに上がったフライの打球を処理、他の内野ポジションからの送球を受け取る野手のことです。

ファーストはサード(三塁手)やショート(遊撃手)のような派手な動きはなく、地味なポジションで「守備は期待されていない強打者」が守るイメージがありますが、バント処理・投手からの牽制球の処理・各野手からの送球の捕球など、さまざまな動きや役割が求められるので、実は重要で尚且つ難しいポジションと言えます。

さらに野球の試合の中でゴロ・フライといった打球が飛ぶ割合が少ないポジションである反面、ボールに接触する機会はピッチャー・キャッチャーの次に多いポジションです。ちなみに野球の試合の中でゴロ・フライといった打球が飛ぶ割合が多いのはセカンド・ショートになります。

 

ファーストの守備の役割・動き

ファーストの守備は、ファーストベース周りに飛んでくるの打球(ゴロ・フライ)の捕球と、ピッチャー・キャッチャー・セカンド・サード・ショートがゴロを処理した時にその送球を捕球する役割があります。また外野手(特にライト)からの返球の中継に入って送球することもあります。

さらに送球が逸れた時を想定したバックアップ、空いたベースに入るベースカバーの動き、ランナーが1塁にいる時、ランナーのリードを短くする目的や2塁への盗塁を警戒してピッチャーから送球される牽制球に対応した動きや役割もあります。他の内野のポジションに比べて華やかさはありませんが実は重要な役割があるポジションで、機敏な動きも求められます。

 

ファーストの守備が難しい理由

ファーストの守備が難しい理由としてはまず、サードと同じようにバッターボックスからポジションまでが近く、左打者が打つライン際の痛烈なゴロや低いライナーといった難しい打球を守備する機会が多いためです。現代の野球は右投げ左打ちの選手が非常に多く、左の強打者が大勢いるためファーストに難しい打球が飛んでくることも多くなっています。

またノーアウトランナー1塁でランナーを2塁に進めるためや、ノーアウトランナー2塁でランナーを3塁に進める目的で行うバントの場面で、バッターボックスと一塁の中間ほどで守備するいわゆるバントシフトをした場合、すばやく打球を処理して瞬時にどの走者をアウトにするかの判断しなければなりません。その瞬時の判断を誤ってしまうと相手の攻撃に勢いをつけることになるので難しい判断になります。

また各野手から送球されるショートバウンドの処理ではからだをいっぱいに伸ばして捕球するなど難しい技術が要求されます。さらに他のポジションと違って、自分のところ飛んでくるゴロやフライといった打球だけを処理するのではなく、各野手からの送球に対応してボールに触れる機会が多いため集中力が必要です。

 

ファーストに求められることは?

ファーストは、1塁ベース周りに飛んでくる打球(ゴロ・フライ)などの守備、バント処理、他ポジションからの送球の捕球、ピッチャーからの牽制球の処理といったようにさまざまな守備があって、求められるのは「捕球確実性」「柔らかいグラブさばき」です。

各野手から送球されるハーフバウンド・ワンバウンド・落ちはじめのバウンドや横に逸れる送球など安定しない送球を体を伸ばして捕球するなど確実に捕球する技術、ライン際の痛烈なゴロや低いライナーを捕球するには柔らかいグローブさばきが求められます。またバント処理などでは「冷静な判断能力」も必要です。

 

ファーストは強打者が多い?

「ファースト=強打者」は野球の定番ですが、プロ野球でファーストとして活躍している強打者の選手を何人か紹介します。

プロ野球でポジションがファーストの強打者

・山川穂高

西武ライオンズの主力バッターで豪快なホームランが魅力的な山川穂高選手。

・中田翔

外野を守っていた時期もありますが、ファーストでの出場機会が多い北海道日本ハムファイターズの主砲中田翔選手。

・ホセ・ロペス

メジャーリーグから読売ジャイアンツ、現在は横浜DeNAベイスターズで活躍するロペス選手もファーストの強打者です。ただロペス選手はファーストの守備に定評があり、守備が上手い選手に送られるゴールデングラブ賞を何度も受賞しています。

・銀次

楽天イーグルスの中心選手の一人銀次選手は長距離ヒッターというよりは、中距離ヒッターですが、強打者といえる選手です。。

 

以上のようにファーストは強打者が守ることが多いポジションですが、その理由としては足があまり速くなくても守れるポジションだからです。パワーのある選手は比較的大柄で足の速さは平均以下のことが多いのですが、他のポジションにく比べてファーストの守備はそれほど足の速さは求められません。そのため強打者=ファーストになるのです。

ただ、足の速さと守備のうまさは直結せず、ファーストの強打者で守備も上手いという選手は多くいます。次にプロ野球のファーストの守備の名手を現役・歴代別にみていきます。

 

プロ野球のファーストの名手といえば?

プロ野球でファーストの守備の名手といえば誰を思い浮かべますか?守備を評価されるゴールデングラブ賞を受賞している選手や歴代で定評のあったファーストの名選手を紹介します。

現役のファーストの名手

ロペス(DeNA)

銀次(楽天)

中田翔(日本ハム)

横浜DeNAベイスターズで活躍しているロペス選手は2016・2017年にゴールデングラブ賞、巨人時代にも受賞しています。楽天イーグルスの銀次選手は2017年パリーグのゴールデングラブ受賞選手です。日本ハムの中田翔選手ゴールデングラブ賞を2度受賞するなど守備にも定評があります。

歴代のファーストの名手

1970年代に活躍したセ・リーグのファーストの名手は世界のホームラン王・王貞治さん(巨人)、松原誠さん(大洋)、パ・リーグでは 大杉勝男さん東映)、柏原純一さん( 日本ハム)。

1980年代に活躍したセ・リーグのファーストの名手は中畑清さん(巨人)、大杉勝男さん(ヤクルト)、 柏原純一さん(日本ハム)。

1990年代に活躍したセ・リーグのファーストの名手は落合博満さん(中日)、駒田徳広さん(巨人)、広沢克己さん(ヤクルト)パ・リーグでは石井浩郎さん(近鉄)、小笠原道大さん(日本ハム)などです。

 

ファーストの守備はかなり重要!

野球のファーストがどのようなポジションなのか、守備の役割・動き、求められることなどについて説明してきました。ファーストの守備は自らのところに飛んでくる打球の処理以外にも、バント処理、投手からの牽制球への対応、各野手からの送球されるボールの捕球など、ボールに触れる機会が多く難しいポジションです。

野球のレベルが上がるにつれてより一層ファーストは守備力が求められます。決して「ファーストは強打者が守るポジションで守備は求められない」ではなく、奥が深い難しいポジションです。

 

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