野球の技術の中でバッティングは特に難しく、奥が深いスキルです。初めてバッティングをする初心者はまずバットにボールを当てること自体が至難の技です。
ではなぜ野球のバッティングは難しいのはなぜでしょうか。それは「受け身の技術」だからです。飛んでくるボールにタイミングを合わせてボールの軌道に合わせてバットを振らなければならないので、いくらいいスイングをしてもタイミングが合わなければバットに当たらず、タイミングが合ってもボールの軌道にバット合わなければ当たりません。
そんな、難しくて奥が深いバッティングですが、今回は初心者向けにバッティングの基本やコツ、練習方法について解説します。
野球のバッティングは初心者には難しい?
冒頭で野球のバッティングが難しい理由については解説しましたが、具体的にどのような動作になってしまうのかについて説明します。初心者の傾向として、無駄な力みがあってバットを強く握り過ぎ、振り出しから振り終わるまで力を抜くことをしないため、バットがスムーズに出ずらく、出すタイミングも遅れやすくそれによってバットがボールに当たる確率が下がってしまいます。またきちんとしたタイミングの取り方をしていないことも多く、タイミングが合わない空振りも目立ちます。
野球のバッティングの基本【初心者向け】
・フォーム
・タイミング
・スイング
では初心者が野球のバッティングを上達させるために知っておくべき基本とは何でしょうか。それは安定したバッティングフォーム・ピッチャーが投げるボールとのタイミングの取り方、そして地面と平行に振るレベルスイングのマスター、この3つです。
バッティングフォームのポイントはバットを構えた時に肩・腕・指などに力を強く加えず、軽くバットを握るようにして全身の力を抜いた状態が理想です。そうすることで、バットに余分な力が加わらないためバットをスムーズに出せるようになります。
次にピッチャーが投げるボールとのタイミングの合わせ方ですが、足を上げたり体でリズムを刻んだり自分に合ったタイミングの取り方をすることが大切になります。
そして初心者が意識するべきレベルスイングですが、ピッチャーからのボールの軌道はほぼ地面と平行になるため、それに合わせてバットを地面と平行に振るレベルスイングをすることでバットがボールに当たる確率が高くなります。
バッティングフォームの基本
「基本はスクエアスタンスのレベルスイング」
ここでは、野球のバッティングの基本フォームとそのコツについて解説します。野球の基本的なフォームはバットの軌道による【レベルスイング・ダウンスイング・アッパースイング】、また構える足のスタイルによる【スクエアスタンス、オープンスタンス、クローズドスタンス】があります。
足のラインがピッチャーにまっすぐ正面に向く構えのスクエアスタンス、右バッターなら左足を後ろに引いて、また左バッターなら右足を後ろに引い構えのオープンスタンス、ピッチャー側に向く足をホームベース側に出した足の構えのクローズドスタンスがあります。
スクエアスタンスのレベルスイングがスタンダードですので初心者はそのフォームを身につけるのがいいでしょう。
レベルスイングはバットを地面と平行にスイングするフォームと解説してきましたが、本当にバットを地面と平行にスイングするフォームではピッチャーが投げるボールを当てようとすると、バットの軌道とボールと合わせにくくなります。そこで正しいレベルスイングにするにはバットを振るときの肩の位置と平行なスイングを意識するとバットの軌道とボールを合わせやすくなります。すなわちレベルスイングのコツはバットがボールに当たった時にバットのヘッドが地面と平行ではなく、ヘッドが少し下がったフォームを意識することが大切になります。
ワンランク上のバッティングはヘッドを下げながらバットを出して、ボールを打つインパクトの時にヘッドを立てる動作が重要になりますが、それは頭の隅に置いてまずはバットの出し方を意識しましょう。
ダウンスイングとアッパースイングについて少し触れておくと、バットを上から振り下ろすようなイメージのダウンスイングは、ピッチャーが投げるボールを当てるポイントに対して最短距離でバットが出せるといったメリットはありますが、ボールを点でしか捉えられないため、タイミングを外された時に弱く、ヘッドも使いずらいため過度なダウンスイングではバッティングは上達しません。
バットを下から出す打ち方のアッパースイングは、すくい上げる軌道のため、ボールを遠くに飛ばせるバッティングフォームですが、レベルスイング・ダウンスイングと比べるとバットの軌道が遠回りになり、バットのスイングのスピードが遅い初心者には向いていいません。アッパースイングは上級者向けのスイングです。
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タイミングの取り方
「バットを小刻みに動かしながらピッチャーの動作に合わせて少し足を上げる」
野球のバッティングで強い打球を打つにはミート力の他、ボールとのタイミングの合わせ方が大切です。タイミングの合わせ方は個人差がありますが、足を上げたり、足を動かしたり、体でリズムを刻んだりしてタイミングを計ります。
基本はピッチャーが投げる体勢に入ったらバットを小刻みに動かしながらピッチャーの動作に合わせて少し足を上げてバットを振ります。足を上げすぎるとタイミングが合わせずらく、バットを静止させた状態だと始動が遅くなります。
振り方・インパクト
バッティングの振り方・インパクトのコツはバットを構えた時にバットを強く握りすぎないこと、バットのスイングは振りはじめはスムーズに出してバットがボールに当たった瞬間にバットに力を入れるといった打ち方をします。
またいくらバットにボールが当たってもバット芯に当たれなければヒット性の強い打球を打つことはできないのでバットの先端から野球ボール3〜4個分のところにある「バットの芯」に当てることを意識します。振り方・インパクトの練習はバッティングセンターでできます。バッティングセンターは反復練習ができるのでおすすめです。
フォロースルー
バットとボールが当たった後、そのままバットを肩の方向に振っていくことをフォロースルーといいます。ピッチャーが投げる速いボールに力負けしないためやボールを遠くに飛ばすためにもフォロースルーは大事になります。
野球の初心者の中には打球が飛ばない、力がなくボールに負けてしまうと悩む人がいますが、正しいフォロースルーをマスターすることでそれらを解決することができるようになります。初心者はフォロースルーの技術をマスターというよりは最後までバットをしっかり振るといった意識を持つことからはじめましょう。初心者にありがちなのはバットにボールが当たると力を抜いてしまうことで、そうではなくバットでボールを押し込むように振り切ることが大切です。
【初心者向け】野球のバッティングの練習方法
ここでは初心者におすすめのバッティングの練習方法をいくつか紹介します。初心者に限らずバッティングではバットの芯で打つ・自分の体型にあったバッティングフォームを身につけることが基本です。バッティングの練習方法には素振り・トスバッティング・ティーバッティング・フリーバッティングなどがあります。
最も気軽にできる練習が素振りで、バッティングフォームを固めることができます。
関連記事:【野球】素振りの効果って?正しいやり方&種類を伝授!理想の回数も!
トスバッティングとは5メートルくらいの距離からボールを投げてもらい、そのボールをバットで軽くミートしてボールを投げてくれた相手にワンバウンドで返す練習で、バットの芯に正確にミートするのが目的になります。
次にティーバッティングですが、2メートルほどの距離からトスしてもらったボールを力強くネットに打ち返す練習方法で、自分のミートポイントを見つけて、そのポイントで強く打てるように打撃フォームをからだに覚えさせる目的で行ないます。このトスバッティング・ティーバッティングなどをマスターしたら、ピッチャーは投げるボールを打つフリーバッティングなどを行います。
野球のバッティングを上達させて「脱」初心者
ここまで初心者向けにバッティングの基本であるフォーム・タイミングの取り方・振り方・インパクト・フォロースルーなどの項目について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。今回紹介した内容や解説したことを参考に練習してバッティングを上達させませしょう。