まず始めに、この記事の主旨は「野球上達に必要なこと」ですが、技術や練習メニューについて紹介するわけではありません。バッティング・ピッチング・守備といったプレーにフォーカスするのではなく、少し大きな視点で、野球に対する考え方であったり取り組み方であったりといった部分について解説していきたいと思います。
ただし決して上から目線で「こうあるべきだ!」といった提言をするわけではなく、私なり約20年ほど野球に携わり、選手という立場を離れた中で感じたことをまとめたわけで、一意見として参考にしていただければと思います。
野球上達に必要なこと「練習」
当然のことですが、練習をせずに上達ことはありません。もちろんある程度のレベルまでは身体能力で上達すると思いますが、成長はすぐに止まるでしょう。 また、練習を大きく分けると「やらされる練習」と「自らやる練習」に分けられるますが、上達のスピードが速いのは圧倒的に自らやる練習です。
チームの全体練習においても、やらされる練習と自らやる練習があると思います。 例えば、守備でノック練習をするにしても、ただ漠然と飛んでくるボールを捕る選手と「捕リやすいバウンドで捕る」など課題を持って取り組む選手とでは、上達に差が生まれるでしょう。ただ気をつけなければならないのは「自らやる練習」に取り組んでいても方向性を間違えていれば意味がありません。方向性とは「技術理論」といった部分です。正しい理論を頭に入れて練習しなければ長期的な上達にはつながりません。
野球上達に必要なこと「正しい理論」
方向性を間違えた練習を繰り返しても上達どころか、悪いクセが付くだけになります。例えば、バッティングにおいて極度の「ダウンスイング」で一生懸命、投手が投げるボールをイメージした素振りを繰り返していたらどうでしょうか。
素振りの練習では、ただ漠然と振るより投手をイメージしたほうが効果は高まります。ただ極度のダウンスイングは正しいバッティングモーションではなく投手のレベルが上がるにつれて、そのスイングでは通用しなくなります。もちろん全くその練習に意味がないという訳ではありませんが、長期的な上達にはつながらないでしょう。
ここで大切になるのが正しい理論です。極度のダウンスイングではボールを点でしか捉えられず、タイミングを外された時にボールを芯で捉えるのが難しくなります。理想のスイングの軌道は地面に対して平行でなければなりません。ではこのような正しい理論はどのようにして得るべきなのでしょうか?
プロ野球選手や専門家が出している「本」は情報の宝庫です。個人的には桑田真澄さんのこちらの本がおすすめです。
また最近はインターネットで誰でも簡単に情報にアクセスができて、プロ野球選手が技術について語る記事が無料で読むこともできます。テレビ番組のインタビューもあります。自分の思い込みやこれまでの常識だけに頼るのではなく、プロの選手の新鮮な情報や科学的にみた理論に触れて頭で理解した上での練習が大切になります。
野球上達に必要なこと「自分を知る」
最後に「自分を知る」ということもとても重要になります。「自分を知る」とは、自分の長所・短所を知るということです。長所を伸ばして、短所を改善することが上達につながります。例えば「球は速いがコントロールが悪すぎて試合を作れない」控え投手がいたとします。
この投手がより球を速くするトレーニングに取り組んだところで試合で登板できる機会が増えることはなく上達は難しいでしょう。球の速さは長所として伸ばしつつ、コントロール改善に取り組むことで投手として上達することになります。ただ自分のことは見えているようで意外と見れていないものですので、周りの人間に客観的に判断してもらうのが良いでしょう。
まとめ
野球上達において必要なことをまとめると「正しい理論を頭に入れて練習」「自分の長所を生かして短所を改善」すといったところでしょうか。ここまで少し偉そうに解説してきましたが「そんなことは知っている」「それができない」と感じている方も多いと思います。もちろん言葉でいうのは簡単でもそれを行動に移して成果を出していくということは簡単ではありません。ただこうしたことが頭の片隅にあれば自ずと変わる部分あるのではないでしょうか。
最後に、余談ですが筋肉の質の割合(速筋・遅筋など)を測ることも自分を知る一つの方法です。DNA EXERCISEのような遺伝子検査キットで自分の筋肉の質や割合を簡単に検査することができます。筋肉の質の割合は生まれつき決まって後天的に変えることはできませんので、筋肉の質の割合によって向いてるポジションや上達へのアプローチが変わってきます。昔はこのような気軽に検査できるキットはなかったので、今は恵まれてますね。