ボールを無回転でリリースして強い空気抵抗で揺れるように落ちるナックル、ボールに斜めの回転させてドロンと落ちるカーブ、その両方の名前が付いているナックルカーブ。
日本のプロ野球でナックルカーブの使い手で代表的なのが、元ソフトバンク・五十嵐亮太投手です。この記事ではナックルカーブの握りや投げ方、なぜ変化が大きいのか、デメリットはあるのかといった情報をお届けします。
ナックルカーブとは
「ナックルカーブ」を名前だけで判断するとナックルのようにボールが揺れながらカーブのように曲がる変化球をイメージするかもしれませんがそうではありません。
ナックルのように揺れて落ちる変化球ではなく、カーブ、スライダー系の変化をします。投げ方も似ています。
カーブ、スライダーとの違いは変化が大きいことです。ではなぜナックルとい名前が付いているか?それは、握りがナックルに似ているからです。中指でボールに鋭いスピンをかけることで打者の手元で曲がりながら大きく落ちるナックルカーブは空振りも取れる決め球になるボールです。
ナックルカーブの握り方・投げ方
3月13日(火)オープン戦
千葉ロッテ 4-2 オリックス
【勝】石川 【敗】金子千尋 【S】大谷
≪2018オープン戦 7戦目!≫
◇ ブランドン・ディクソン 投手
「いい内容のピッチングができたと思うし、自分が今できることを・・・」
~詳細はこちら!~https://t.co/w5a9cL9mbO#Bs2018 #プロ野球 pic.twitter.com/zWIfws1LrN— オリックス・バファローズ (@Orix_Buffaloes) 2018年3月13日
人差し指をナックルを投げる時のように指を立てて握り、中指はカーブと同じ握り方をします。そして支えるように親指をおきます。
投げ方はカーブと同じようにボールを抜くようなイメージで中指でスピンをかけます。
握り方がナックルとカーブの半々だからナックルカーブという名前が付いたのでしょう。ナックルに近いのは握りだけで投げ方に関してはナックル要素はありません。
投げ方としては「高めに目掛ける」「ボールを抜く意識」がポイントになり、縦カーブのようなリリースをします。スライダーのようにストレートに近い投げ方をすると思うような変化はしません。
なぜナックルカーブは変化が大きいのか?
そもそもナックルカーブはなぜ変化が大きく、よく曲がるのでしょうか。それは、人差し指を立てて投げることでボールが抜けやすくなるからです。先ほど投げ方のポイントとしてボールを抜く意識ということをいいましたが、カーブは曲げる変化球ではなく 抜く変化球で、ボールをうまく抜くことができれば大きく変化します。
ナックルのような握りをするのはボールを抜けやすくするためです。
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ナックルカーブのデメリット
変化が大きく、空振りも取れるナックルカーブを投げることができれば、大きな武器になりますが、コントロールが難しいというデメリットがあります。
通常のカーブは人差し指と中指のボールを支えますが、ナックルカーブは人差し指を立てているのでうまくコントロールするのは至難の技です。とはいえ、ナックルカーブに求められるのはコーナーにきっちり投げ込むコントロールではなく、ストライクゾーンやストライクゾーンからボールになるようなコントロールで、それができれば打者の脅威になります。
ナックルカーブの使い手
五十嵐亮太(元ソフトバンク)
森唯斗(ソフトバンク)
サファテ(元ソフトバンク)
ディクソン(オリックス)
平野佳寿 (オリックス)
ルブラン(西武)
イ・デウン(ロッテ)
ジョンソン(広島)
ナックルカーブはパワーカーブ?
最近パワーカーブという言葉をよく聞くようになりましたが、パワーカーブとは従来のカーブよりも球速があって空振りを取れるカーブのことを指します。1つの球種ではなく、カーブの分類になります。そのため一概に「ナックルカーブ=パワーカーブ」という訳ではありませんが、ナックルカーブの握りで球速があって空振りを取れるような変化をしていれば、それはパワーカーブに分類されます。
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