キャッチャーは、野球の守備において「要」と言えるポジションで、ピッチャーのボールを捕る役割だけではなく、ストレート・カーブなどの球種や、インコース・アウトコースなど配球を組み立ててリードする役割、塁上にいるランナーが盗塁した時にそれを阻止する役割、ベンチからの守備のフォーメーション指示を伝える役割などがあります。
そんなキャッチャーにフォーカスしてキャッチャーの役割や、必要なこと、またキャッチャーに向いている性格や特徴などの情報をお届けします。最後にはプロ野球の歴代&現役の名キャッチャーも紹介します。
野球でキャッチャーは重要なポジション!
野球のキャッチャーはピッチャーをリードして試合を作っていく重要なポジションです。キャッチャーのリードにはピッチャーが投げる内角・外角などのコースや低め・高めといった投げる高さの指示に加えて、ピッチャーの球種(ストレート・カーブ・スライダー・チャンジアップ・フォーク)などの要求もあって、キャッチャーのリードは試合の勝敗に直結します。
キャッチャーってどんなポジション?役割は?
まずキャッチャーの守備位置はホームベースの後ろ、打者と審判の間になります。そこに防具を付けてしゃがんでいるのがキャッチャーで、ピッチャーが投げるボールを捕球するのが一番の役割になりますが、ピッチャーが投げる球種やコースなどをサインで指示を出すリードの役割もあります。
チームや選手によってはベンチまたはピッチャーが配球を組み立てるケースもありますが基本的にはキャッチャーがバッターボックスにいる打者の足の置き方や構え、雰囲気などで配球を組み立てていきます。
またピッチャーのリード以外にも守備陣で唯一内野・外野などの全てのポジションを見渡すことができるので守備位置・フォーメーションの指示など司令塔としての役割もあります。さらにそれ以外にもホームベース付近での、バント処理、打者が打ち上げたキャッチャーフライの処理に加えてランナーなし、ランナー1塁の時にサード・ショートなどの内野ゴロで打者走者と一緒にファーストベース方向に走ってエラーした時に備えるバックアップもキャッチャーの役割になります。
キャッチャーに向いてる人は?
ただ単にピッチャーの投げるボールを捕るだけではなく、配球や内野・外野手の守備位置を考えたりホームベース付近の守備や送球、バックアップなど仕事が多いキャッチャーに「向いている人」とはどんな人でしょうか。
・リーダーシップのある人
まずここまでの説明でわかるようにピッチャーのリードや守備陣への指示など司令塔としての役割がある捕手はリーダーシップが求められます。そのため人を動かす統率力がある人はキャッチャーに向いていると言えます。
・体力がある人
また重い防具を付けてピッチャーのボールを受けてる度にしゃがんだり立ったりを繰り返し、内野ゴロではバックアップに走るキャッチャーは体力がないと務まりません。
・観察力・記憶力がある人
さらに試合の流れや打者の特徴、過去の対戦成績など観察力・記憶力も求められるポジションですので、これらの能力がある人はキャッチャーに向いている人と言えます。
キャッチャーに必要なこと7つ!
前項では大まかにキャッチャーに向いてる人の能力について説明しましたが、ここから「キャッチャーに必要なこと」として詳しく見ていきましょう。
①統率力
自分やベンチの判断で守備位置を動かしたり作戦を実行したりするための人を動かす力が必要です。
②観察力
打者の得意・不得意なコース球種を察知したりベンチの作戦を雰囲気で読み取ったりする観察力。
③決断力
リードは何パターンもあって試合の状況や投手の調子によって最適なものを選びますが、それを素早く決断する能力。
④記憶力
相手打者やチームの情報を頭に入れておく記憶力
⑤肩の強さ
盗塁を阻止するために肩の強さ。相手チームに肩が強いと認識されるだけで盗塁の抑止になります。
⑥キャッチング技術
ピッチャーが気持ちよく投げられるような捕球音や、ボールをストライクに見せるようなフレーミング技術、ワンバウンド・ショートバウンドを後ろに逸らさず前に止める技術。
⑦気持ちの強さ
強打者や強いチームにも屈せずに強気のリードができる気持ちの強さ。
キャッチャーが知っておくべき野球のルール
ここでキャッチャーが必ず知っておくべき野球のルールを解説します。
・振り逃げ
バッターが三振してもキャッチャーが捕球できなかったり、ワンバウンドで捕球した場合はすぐに打者はアウトにはならずに打者にタッチするかファーストにボールを投げてアウトにする必要がある振り逃げ。
・打撃妨害
打者が打つ際にバットがキャッチャーのミットが触れた場合は打撃妨害として打者は一塁に進みます。
・コリジョンルール
ホームでのクロスプレーでキャッチャーはランナーが走る走路を邪魔しないで、ランナーが滑りこめるようにホームベースの一角を開けておく必要があります。ランナーにタッチする目的以外にランナーにぶつかったりすることはブロックルール(コリジョンルール)で禁止されています。
・キャッチャーボーク
またピッチャーの投球前にキャッチャーはボックス(キャッチャーの横にある線)の外にでることは禁止されていて、でた場合はキャッチャーボークとして処理されます。
キャッチャーミット の選び方
キャッチャーが使うグローブ「キャッチャーミット」は他のポジションのグローブと形状が大きく異なります。
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捕球頻度が高いキャッチャーのグローブは革が分厚くて、ピッチャーのボールを捕球しやすいような設計になっていて、内野手が処理するゴロ捕球には向きません。
キャッチャーミットに関する詳しい記事はこちら
キャッチャーミットおすすめメーカー5選!愛用選手・選び方&縦型・横型の違いも!
キャッチャーのキャッチング技術とは?
キャッチャーに求められるキャッチングの技術には、ピッチャーに気持ちよく投げてもらうためにキャッチャーミットの捕球面がピッチャー見えるような正しい構えと、ピッチャーが投げるボールをしっかりとキャッチしてピッチャーが心地よい、あるいは自信が持てるような捕球音を出す技術が必要です。
またコースいっぱいに投げられたボールを審判がストライクとコールするようなキャッチャーミットをストライクゾーンの内側に向けるようなフレーミングといったキャッチングの技術があります。
フレーミングに関する記事はこちら!
キャッチャーのフレーミングのコツ&練習方法!上手い選手といえば?
しかし、このフレーミングといったキャッチングの技術には程度があり、極端にキャッチャーミットをストライクゾーンの内側に向けてしまうと審判にキャッチャーミットを動かしたと判断されボールを宣告される可能性が高くなるので、このフレーミングといったキャッチングの技術はキャッチャーミットを動かすのではなく、キャッチャーミットを内側に傾けるといったイメージで練習することが大事になります。
プロ野球の名キャッチャーといえば?
【歴代の名キャッチャー】
・野村 克也
・古田 敦也
・阿部 慎之助
・城島 健司
・谷繁 元信
プロ野球の名キャッチャーと言えば、捕手として世界初の「三冠王」に輝き、ヤクルトスワローズ・楽天ゴールデンイーグルスなどで監督を務めた経歴を持つリード面など頭脳派キャッチャーとして活躍した「野村 克也」さん。
ゴールデングラブ賞10回を受賞するなどキャッチング能力と盗塁阻止率が高い守備型キャッチャーとして活躍した「古田 敦也」さん。バッティングだけでなく、リードでの評価も高い巨人の「阿部 慎之助」選手。
強打者・強肩でメジャーの経験を持つ大型キャッチャーとして活躍した「城島 健司」さん、強肩・強打のキャッチャーとして横浜DeNAベイスターズ・中日ドラゴンズなどで活躍した「谷繁 元信」さんなどが頭に浮かびます。
【現役の名キャッチャー】
・嶋 基宏選手
・梅野 隆太郎
・小林 誠司
・中村 悠平
現在のプロ野球の名キャッチャーには野村克也さんからも指導を受けた経験もある楽天イーグルスのキャッチャー「嶋 基宏」選手、阪神タイガースのキャッチャーとして活躍している「梅野 隆太郎」選手。
強肩が売りのキャッチャーとして巨人で活躍している「小林 誠司」選手、東京ヤクルトスワローズの選手会長で正捕手の「中村 悠平」選手などがいます。
キャッチャーは野球で第2の監督
キャッチャーは野球の1ポジションですが、守備の要でピッチャーのリードは野球の勝敗に大きな影響を与えるため第2の監督と言われています。野村克也さんの言葉に「常勝チームに名捕手あり」というのがありますが、まさに監督に近い存在のポジションと言えます。
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