二段モーション解禁!メリットは?アマチュア野球もOK?

ピッチャー

「二段モーション」と呼ばれる投球動作があります。この二段モーションは以前、ピッチャーが投球動作を止めた、または変更したと判断され、イリガリーピッチいわゆる反則投球でした。そして二段モーションからの投球は、すべてボールとしてカウントされるペナルティが課され、二段モーションで投げたピッチャーに対して注意もされていました。しかし2018年シーズンからプロ野球で二段モーションが解禁されています。

この記事では、二段モーションが解禁された背景や、二段モーションのメリット、少年野球・高校野球などのアマチュア野球での対応について解説していきます。

二段モーションとは?

そもそも、二段モーションとは、どのような投げ方のことを指すのでしょうか。 二段モーションはピッチャーが投球動作に入って「上げた足を上下に運動させてから投げる」「上げた足を一度停止したから投げる」この2種類です。

野球のルールの視点から二段モーションを見ると「ピッチャーは投球動作をはじめたら、止めることも、変更することもできない」に当てはまる違反行為でした。悪い言い方をすれば、打者を騙す、あるいは、かく乱させる投球スタイル。また、よく言えば、自分の投球に弾みをつけること、ピッチャーが投球する祭に、大切な溜め・リズム・体重移動がしやすい投球スタイルです。

二段モーション解禁の理由

二段モーション解禁の理由は「国際的な基準に合わせるため」「二段モーションの判定基準が統一されていない」などがあります。日本のプロ野球は、アメリカのメジャーリーグや国際基準に比べて判定基準が厳し過ぎた経緯からです。

また、日本のプロ野球でチームのエース級として活躍しているピッチャーの中には、二段モーションと、まではいかなくても、見方によっては、二段モーションになる可能性がある投げ方をしているピッチャーがいて、その二段モーションのような投げ方も、審判によって判定が違うといった曖昧さも二段モーション解禁につながっています。

メジャーリーグの二段モーションについても触れておくと、メジャーリーグでは、二段モーションは禁止されていません。メジャーリーグで禁止されているルールは、ピッチャーが投球する動作を途中で完全に静止させるいわゆるストップモーションになります。

日本の場合は、このストップモーションを拡大解釈して、完全に静止しているわけではない、ステップする足を上げたり、下げたいして投げる二段モーションを反則投球として規則書に記載し、厳しく適用していた経緯があります。

二段モーションのメリット

ではここからは、視点を変えて二段モーションには、どのようなメリットがあるのか考えていきたいと思います。

「打者のタイミングを外せる」

「コントロールが安定しやすい」

「球速が出やすくなる」

バッター目線で考えて、ピッチャーの投球モーションが「1・2・3のリズム」だとタイミングを合わせやすくて打ちやすいのですが、二段モーションで「1・2・のー・3のリズム」で「のー」の間が入るとタイミングを合わせづらくなります。そのようにピッチャーは二段モーションによって打者のタイミングを外すことができます。

コントロールが安定しやすいというのは、軸足にしっかり体重が乗ってから投球動作に入るため、体のブレが少なくなるからです。軸足に体重が乗らないまま投球に入ると、当然が体がブレてコントロールの乱れにつながります。

球速が出やすいというのは、二段モーションによって勢いをつけられるからです。上げた足の反動を使うことができるのでその分、球速も出やすくなります。

二段モーションはアマチュアもOK?

プロ野球では、二段モーションは解禁ですが、社会人・大学・高校・少年野球などのアマチュアでの対応はどのようになっているのかというと、プロ野球と同じように解禁されています。

しかし、ランナーがいる場合に、二段モーションで投げた場合は、プロ野球・アマチュアに関係なくボークが宣告されますので覚えておきましょう。二段モーションは「ランナーなしでの投球のみ」になります。

二段モーションの投手といえば?

二段モーションの投手といえば、歴代だと横浜DeNAベイスターズで長年活躍したハマの番長こと三浦大輔さんです。三浦大輔さんの現役時代は、二段モーションのルールが厳しくなって、改善した時期もありましたが、三浦大輔=二段モーションという印象はいまだに強いです。

また、現役だと西武ライオンズからメジャーリーグのシアトル・マリナーズに移籍して活躍している菊池雄星選手、広島カープの大瀬良大地選手、近鉄・東北楽天で活躍しメジャーに渡って日本に戻ってきた岩隈久志選手などです。

メリットがあることから今後も二段モーションの投手が増えていくことが考えられます。

二段モーションについて理解しよう!

ここまで二段モーションについて解説してきましたが、プロ野球で解禁されたこともあり、二段モーションが注目されて、アマチュア野球でも採用する投手が増えていくかもしれません。メリットがある投げ方ですので、採用するのは良いことではありますが、明らかに打者を騙すような「二段モーション」は審判から注意を受ける可能性があるので、注意しましょう。

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