ピッチャーの投げ方は、オーバースロー・サイドスロー・スリークォーターといったリリース時の腕の位置による違いだけでなく、マサカリ投法・ザトペック投法といった体の使い方による個性的な投げ方まで様々です。
今回は、トルネード投法にスポットを当てて、トルネード投法にはどんなメリットがあって、どんなデメリットがあるのか、また、現役のプロ野球で、トルネード投法を採用しているピッチャーについての情報をお届けします。
トルネード投法といえば野茂英雄
そもそもトルネード投法というのは「トルネード」のように体を回転させてから投げる特殊な投げ方で、野茂英雄氏の投法から名付けられました。
野茂英雄氏といえば、1989年のドラフト会議で史上最多の8球団から指名を受けて、近鉄バファローズに入団。入団後は、1試合で、17個の三振を奪う記録をはじめ、最多勝利・最優秀防御率・最多奪三振・最高勝率・ベストナイン・沢村栄治賞・MVPなど数々のタイトルを獲得し、その後メジャーリーグに渡りロサンゼルス・ドジャース、ニューヨーク・メッツ・デトロイト・タイガース・ボストン・レッドソックスなどにも在籍した日本プロ野球のレジェンド的な存在です。「トルネード投法=野茂英雄」というのは野球界の常識ともいえます。
トルネード投法のメリット
そんな野茂英雄氏の代名詞・トルネード投法にはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
【トルネード投法のメリット】
・球速が出やすい
・ヒップファーストの動きが出やすい
・出所が見ずらい
トルネード投法は、体を大きくひねってから投げるので、ひねることによる遠心力と勢いがつくため球速が出やすくなります。また、打者に背番号が見えるように背を向けた状態から投げるため、体の開きを遅らせるヒップファーストの動きが出やすく、また出所も見ずらくなるメリットがあります。
トルネード投法のデメリット
【トルネード投法のデメリット】
・クイックがしづらく盗塁されやすい
・体を無理に捻るから怪我のリスクがある
トルネード投法はランナーがいる時には、大きく体を捻ることはしませんが、少しでも「捻る」という動作があるので、モーションが大きくなります。普通のピッチャーが採用するクイックモーションに比べると、動作が遅くなるので、結果として盗塁されやすくなります。
腰を大きく回転させる無理な体勢を繰り返すため、体への負担が大きくなります。また疲労が蓄積しやすくなり、怪我のリスクが高くなるといったデメリットもあります。
巨人・高井俊はトルネード投法
プロ野球の現役で、トルネード投法を採用してるピッチャーがいます。それは巨人・高井俊投手です。高井俊投手は、東北高等学校を卒業後、悠久山栄養調理専門学校に通ったあとに新潟アルビレックス・ベースボール・クラブから2016年の育成選手ドラフト1位でに巨人に入団した異色の選手。
新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ時代、球速をアップする目的で、自らからトルネード投法に変えて、球速150キロ台のストレートを投げられるようになった投手です。
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— 読売ジャイアンツ(Giants) (@TokyoGiants) 2018年2月9日
巨人・高井俊投手に関する記事はこちら!
まとめ
野茂英雄氏の代名詞「トルネード投法」のメリット・デメリットや、トルネード投法を採用している巨人・高井俊投手について紹介しました。極めて特殊な投げ方で、採用する投手は少ないとは思いますが、ぜひ参考にしてみてください。
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